「もりてつや.セレクション お昼のクラシック」は月~木曜日の15:00~15:49に放送中!
もりてつや.さんがその季節、その時期に合うクラシック音楽を選曲。
穏やかな昼下がりに、音楽と一緒にお楽しみください。
「もりてつや.セレクション お昼のクラシック」 12月の曲&もり先生の解説はこちら
奇数週
バッハ/グノー作曲
アヴェ・マリア
ソプラノ 水野貴子(みずのたかこ)
スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団
クラッシック音楽ではXmasをモチーフにした楽曲が多数あり、そんな1曲。
イエス・キリストの産みの母、聖母マリアを崇高する歌、バッハ作曲のプレリュードをグノーが編曲。
クリスマスとはキリスト教徒の方々にとっては、キリスト降誕を記念する、とても重要な祭事ですが、キリスト教徒では無くてもイベント的にも視覚的にも
私達の生活にうるおいを与えてくれている。
ジャコモ・プッチーニ作曲
歌劇『ラ・ボエーム』 第一幕 より
”ミミ”と”ロドルフォ”の出会いの場面
指揮 アルトゥーロ・トスカニーニ
NBC交響楽団
ミミ役 リチア・アルバネーゼ
ロドルフォ役 ジャン・ピアース
クリスマスイブの出会いから始まる青春悲恋物語 歌劇『ラ・ボエーム』作曲家プッチーニの名作。
明日の成功を夢見る 芸術家の卵たちの悲恋物語でセリフはイタリア語。
お届けする音源は1946年録音、トスカニーニという指揮者率いる演奏で、この指揮者は作曲者プッチーニの意図したテンポ運びをする事が実現できると、作曲からもとても信頼をおかれていた。
曲の内容をご紹介。青年詩人”ロドルフォ”が住む部屋に、愛らしいお針子”ミミ”がやって来る。「ろうそくに火を灯してほしい」と。
しかし部屋に来るや否や”ミミ”は具合が悪くなり倒れてしまう。
急いで椅子に座らせるが、どうしたらよいかわからずおどおどする青年ロドルフォ。
気を失ったお針子ミミは持っていた自分の部屋の鍵を落としてしまう。
正気を取り戻したミミは、火をともしてもらい帰ろうとしますが、鍵がない事に気づきあわてる。つけてもらったろうそくが風で消えてしまい、ロドルフォはこの時がチャンスと、自分の部屋のろうそくを思いっきり息を吹きかけ消してしまう。
暗闇となり、二人は床にはいつくばって鍵を探すのです
たよりは天井窓から射してくる、月明りのみで…
ジャコモ・プッチーニ作曲
歌劇『ラ・ボエーム』 第一幕 より
”ロドルフォ”のアリア
「なんて冷たい小さな手」
月明りの中、鍵を探している二人の手と手が触れあう。
ロドルフォはそのミミの冷たい手に驚きながらも、
「その手を温めさせてほしい」と愛の告白をこめて歌う。
自分が詩人であること、夢見ている事を切々と語る。
オペラナンバーの中でも愛されている一曲 ロドルフォのアリア
『冷たき手を』
ジャコモ・プッチーニ作曲
歌劇『ラ・ボエーム』 第一幕 より
”ミミ”のアリア
「みんな私をミミと呼びます」
ロドルフォは「今度はあなたの事を教えてください」とミミを促す。
ミミも語る。
本名は”ルチア”だけど、皆は私の事をミミと呼ぶの
造花を作って静かに一人で暮らしているの
屋根裏部屋に住むことの一番の喜びは春になるとお日様のくちづけを一番に受けることが出来るの…
アッ、こんな時間にお邪魔してごめんなさい
この自己紹介の中に、「ロドルフォさんあなたの事を愛しています」という言葉が隠されている名曲。
有名なミミのアリア『私の名はミミ』
ジャコモ・プッチーニ作曲
歌劇『ラ・ボエーム』 第一幕 より
二重唱
「ああ、うるわしい乙女よ」
二人は恋に落ち、愛を伝えあう。
こうして、くちづけを交わし、クリスマスでにぎわう”カルチェ・ラタン”へ出かけて行き一幕が閉じる。
実のところ、ミミは今日初めてロドルフォに逢ったわけではなく、依然見かけたときから恋心を抱いていたと言われている。
四幕まであり、この恋の行方が気になる方は、DVD、CDなどで是非!
ベートーヴェン作曲の交響曲 第9番 合唱付き
指揮カール・ベーム ウィーン国立歌劇場合唱団
ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
年末になるとお馴染みともなるベートーヴェン作曲の交響曲 第9番 合唱付き。
『ダイク』 と呼ばれて親しまれている。
歌の部分は 日本語題名で『喜びの歌』と訳されている。
この詩を作ったのは かの 詩人”シラー” 宗教曲にも聞こえるが、精神的な事を読んだ詩。
何とこの歌詞の一番始めは、1楽章から4楽章の歌が始まるまで演奏してきた音楽に対して、「友よ!この響きではない!」と、否定から入る。
人間同士力を合わせることを歌った名作。
この曲の自筆譜は、ユネスコ記憶遺産に登録されており
西洋音楽史上の最高傑作とも呼ばれる名曲。
偶数週
シューベルト作曲「アヴェ・マリア」
ソプラノ バーバラ・ボニー
イエス・キリストの産みの母、聖母マリアを崇高する歌、「アヴェ・マリア」。
シューベルト作曲の「アヴェ・マリア」。
エンゲルベルト・フンパーディンク作曲
歌劇『ヘンゼルとグレーテル』 より
”前奏曲”
指揮 サー・ゲオルグ・ショルティ ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
ヘンゼル役 ブリギッテ・ファスベンダー グレーテル役 ルチア・ポップ
父親役 ワルター・ベリー 母親役 ユリア・ハマリ
魔女役 アニー・シュレム
クリスマスシーズンにヨーロッパの劇場で良く上演されるオペラ『ヘンゼルとグレーテル』。
お話は、かの「グリム童話」。
そのお話を作曲者の妹が台本を起こし、兄のエンゲルベルト・フンパーディンクが作曲した全3幕のオペラで、歌詞はドイツ語。
1893年12月23日にヴァイマル宮廷歌劇場にて初演されたこともあり、クリスマスの贈り物公演的な演目となり、今でも家族連れで楽しまれている。
この前奏曲には、このオペラの音楽の進行に重要なモチーフが組み込まれていて、オペラ全三幕を聴いたような気分になる。
また、その重要なモチーフを一度に重ねてどれが旋律かわからない複雑な作りとなっているが、その難解さを感じさせず、聴くものを魅了する素晴らしい楽曲。
「祈り」のモチーフをホルンが奏でて始まる前奏曲。
この前奏曲は、オーケストラの演奏会でも、単独で取り上げられることも多く名曲。
エンゲルベルト・フンパーディンク作曲
歌劇『ヘンゼルとグレーテル』 第1幕より
no.3 ”踊りましょう”
no.4”こら!”
兄のヘンゼルと妹のグレーテル。
貧しい一家の小さな兄妹は、両親が働きに出かけている間、父親が売り歩くためのホウキづくりの仕事を与えられている。
小さな兄弟は、そんな作業より、もちろん遊びたいばかり。
妹が提案、
「お兄ちゃん 踊りましょう・・・」
「足をトントントン… 手をパンパンパン」
母親が疲労困憊で帰宅すると小さな兄妹は、大騒ぎで楽しむ。兄弟は母親にこっぴどく叱られる。
イチゴを摘むようにと母親は子供だけで森に向かわせる。
エンゲルベルト・フンパーディンク作曲
歌劇『ヘンゼルとグレーテル』 第1幕より
no.7 ”父のアリア”
イライラしてしまったことを反省する母。
そこに帰宅してきた父親は、その森には恐ろしい魔女が住んでいて、
お菓子の家に子供をおびき寄せる言い伝えがあると母親に伝える。
エンゲルベルト・フンパーディンク作曲
歌劇『ヘンゼルとグレーテル』 第2幕より
no.9”こびとがひっそり”
子供たちは、森の中でイチゴを一生懸命集めるが、やはり興味は遊びに向かってしまう。
妹グレーテルはキノコが小人に見え、帽子をかぶっているように見えて可愛く歌う。
兄、ヘンゼルが頑張って集めたイチゴを二人は、食べ切ってしまい二人は兄弟げんかとなってしまう。
その間、刻々と夜は更けてしまい、道にも迷ってしまう。
エンゲルベルト・フンパーディンク作曲
歌劇『ヘンゼルとグレーテル』 第2幕より
”お祈り”
暗くなり、すべての物が怖いもの、悪魔、鬼に見えてきて、
恐怖におびえながら夜を過ごさなければならなくなった。
いつも、家族で祈っている寝る前の『祈り』を歌って恐怖に負けないよう眠りにつく。
「眠たくなると14人の天使たちが、私たちの回りに来てくれお守りくださる…」
エンゲルベルト・フンパーディンク作曲
歌劇『ヘンゼルとグレーテル』 より
”魔女の奇行”
目が覚めると、とっても良い香りが…そう『お菓子の家』が突然目の前に!
子供たちは驚き喜んで飾られている、これまで見た事のない
おいしそうで、きれいで、珍しいお菓子を次々に食べて行く。
そう、言い伝え通り、子供たちは魔女に捕まってしまい、
魔女は喜んで、自慢げに魔法の力を歌い上げる。
エンゲルベルト・フンパーディンク作曲
歌劇『ヘンゼルとグレーテル』 第3幕より
”ビスケットのワルツ”
兄妹は、魔法にかけられ、魔女のお菓子を焼く窯に入れられそうになりますが
二人は考える。
「何とか逃げる方法は無いか?」「助かる方法は?」と。
魔女の魔法の杖を何とか手に入れて、魔女に逆に魔法をかけて自分たちが入れられそうになった窯に魔女を押し込んだ!
勇気と叡智をもってこの魔女の退治に成功。
二人は喜んでビスケットのワルツを歌う。
エンゲルベルト・フンパーディンク作曲
歌劇『ヘンゼルとグレーテル』 第3幕より
”フィナーレ”
突然 窯が爆発! すると お菓子になった魔女とこれまでに捕まって、お菓子にされた子供たちが突然目の前に!
二人は魔法の杖で、元気な子供の姿に戻す。
子供たちが喜んでいるところに兄妹の両親も助けに来てくれて、子供たちは救われ、魔女も退治してハッピーエンド。
『苦しい時に神さまは、御手(みて)を差し伸べて下さる!」と全員で祈りを捧げ、感謝の心を歌う。